1LDK・25㎡・鉄筋マンションでシミュレーションしてみた
この記事でわかること
- 札幌の1LDK(25㎡)で灯油ストーブとエアコン、どっちが安いか
- 1か月・1シーズンの暖房費の目安(金額付き)
- 本体代+工事費など初期費用の比較
- 「ストーブ付き物件/エアコン付き物件」でどっちを選ぶべきかの判断基準
1. 結論ざっくり:ランニングコストはエアコン優勢、初期費用はケース次第
先にざっくり結論を書くと――
- 灯油145円/L 前提だと、1シーズンの暖房費はエアコンの方が安くなりやすい
- ただし
- ストーブだけ付いている賃貸 → 初期費用ゼロで灯油を使える
- エアコンを自腹でつける → 10〜20万円クラスの投資
なので、
「暖房費だけ見ればエアコン有利」
「初期費用まで含めると、“すでに何が部屋に付いているか”次第」
というのが現実的な結論です。
この記事では、以下のモデルケースで具体的な数字を出していきます。
2. 比較条件(モデルケース)
想定する部屋の条件
- 地域:札幌市
- 間取り:1LDK
- 広さ:約25㎡
- 構造:鉄筋コンクリート造のマンション
- 築年数:約30年
- 階数:6階の中部屋(角部屋ではない)
暖房期間の想定
- 暖房を使う時期:11月〜4月(約5.5か月)
→ 国の省エネ資料などでも、暖房期間を約5.5か月とする試算が多いですサンリフレ+1
燃料・電気の単価(2025年冬のイメージ)
- 灯油:145円/L(やや高めのケースとして設定)
- 札幌市の調査では、2025年11月時点の灯油平均単価は約126円/L(多量配達)で推移していますが、店や時期によって140円台になることもあります。札幌市+1
- 電気:31円/kWhで試算
比較する暖房機器
- 灯油ストーブ:一般的な石油ファンヒーター相当
- エアコン:**8畳用エアコン(暖房2.8kWクラス)**を想定
3. 灯油ストーブのランニングコスト
3-1. 灯油ストーブの消費量の目安
石油ファンヒーターの灯油消費量は、一般的に1時間あたり0.2〜0.3L程度とされています。wiple (ワイプル)+2ドコモでんき+2
この記事では中間値として、
0.25L/h
を採用します。
3-2. 1日・1か月・1シーズンの灯油代
1日の灯油代(8時間使う場合)
- 灯油消費量:0.25L × 8時間 = 2.0L/日
- 単価:145円/L
→ 2.0L × 145円 = 290円/日
1か月(30日)の灯油代
- 290円/日 × 30日 = 約8,700円/月
暖房シーズン(約5.5か月)の灯油代
- 8,700円/月 × 5.5か月 = 約4万7,800円
※電気代(ファンを回す分)は1か月数百円レベルなので、ここでは無視できる程度です。ドコモでんき+1
4. エアコン暖房のランニングコスト
4-1. 8畳用エアコンの暖房電気代の目安
ダイキンEシリーズ(2025年モデル)8畳用エアコンのデータを例にすると、以下のような目安が公表されています。サンリフレ
- 暖房消費電力(定格):約635W
- 暖房期間消費電力量:575kWh
- 条件:
- 1日8時間 × 30日使用
- 電気料金単価:31円/kWh
この条件のとき、
1か月の暖房代の目安:4,724円
となっています。
4-2. 1か月・1シーズンの電気代
1か月の電気代(8時間/日)
- 約4,700〜4,800円/月
暖房シーズン(5.5か月)の電気代
- 4,724円 × 5.5か月 ≒ 約2万6,000円
5. ランニングコスト比較|灯油VSエアコン
同じ条件(1LDK25㎡・札幌・1日8時間・暖房5.5か月)でまとめると、
| 項目 | 灯油ストーブ | エアコン暖房(8畳用) |
|---|---|---|
| 単価 | 灯油145円/L | 電気31円/kWh(目安) |
| 1日8時間使用 | 約290円/日 | 約160円/日(4,724円÷30日) |
| 1か月 | 約8,700円 | 約4,700円 |
| 1シーズン(5.5か月) | 約4万7,800円 | 約2万6,000円 |
→ この条件だと、1シーズンあたり約2万2,000円ほどエアコンの方が安い試算になります。
5-1. 「電気代が高いプラン」の場合はどうなる?
実際の北海道電力エリアでは、目安31円/kWhより高い、40円/kWh前後になるケースもあります。ヘプコ+1
電気単価を40円/kWhに引き上げると、
- エアコンの1か月の暖房電気代:約6,100円
- 1シーズン(5.5か月):約3万3,500円
灯油ストーブと比べると、
- 灯油ストーブ:約4万7,800円/シーズン
- エアコン暖房:約3万3,500円/シーズン(電気40円/kWh想定)
→ それでもシーズントータルで灯油よりエアコンが1万4,000円前後安いイメージです。
6. 初期費用(本体+工事費)を比較
次に、「そもそも導入にいくらかかるの?」という初期費用をざっくり見ておきます。
6-1. FF式灯油ストーブの初期費用
札幌の業者や通販サイトの情報をもとにすると、FF式石油ストーブは以下のような価格帯が多いです。dr-pot.com+2株式会社エネコープ+2
- 本体価格:12万〜20万円台
- 取付工事費:1万〜2万円前後(新規穴あけや配管が増えると追加あり)
→ 合計:15万〜25万円前後が一つの目安。
6-2. 8畳用エアコンの初期費用
同じく札幌の業者の価格を見ると、エアコンも、
- 本体価格(寒冷地向けでない一般機):7万〜15万円程度
- 取付工事費:1万〜2万円前後
というケースが多く、寒冷地向けモデルや高機能モデルだと、コミコミ10万〜20万円台が一つの相場です。dr-pot.com
7. 「何年で元が取れる?」ざっくり回収年数
ケース1:ストーブ付き物件に、自腹でエアコンを追加する場合
- エアコン導入費:仮に15万円とします。
- ランニングコスト差(シーズンあたり)
- 灯油:4万7,800円
- エアコン:2万6,000円(31円/kWh想定)
→ 差額:約2万2,000円/シーズンお得
この場合、
15万円 ÷ 2万2,000円 ≒ 約7シーズン(7年)
がざっくりとした投資回収の目安になります。
電気単価が40円/kWhと高い場合は差額が縮まり、約10〜11年かかるイメージです。
ケース2:エアコン付き物件に、灯油ストーブを自腹で導入する場合
逆パターンを考えると、
- エアコン付き → 初期費用ゼロでスタート
- そこに灯油ストーブを15万〜20万円で導入しても、
ランニングコストは灯油の方が高くなりやすい
なので、
「暖房費を節約するために灯油ストーブを買う」という発想は、コストだけ見ればおすすめしにくい
というのが正直なところです。
(もちろん「足元からすぐ暖かい」「停電時に心強い」など、快適さ・安心感で選ぶ人も多いです)
8. 賃貸の現実:どんな人にどっちがおすすめ?
8-1. ストーブだけ付いている物件に住む人
おすすめの考え方
- 短期(1〜3年程度)の入居予定
→ とりあえずストーブ運用でOK - 長期(5年以上住みそう)&
- 毎年の灯油代がつらい
- 夏も涼しくしたい
→ エアコン導入も検討する価値あり
「7〜10年住むつもり」なら、トータルコスト的にエアコンに投資しても元が取りやすいイメージです。
8-2. エアコンだけ付いている物件に住む人
- 1LDK・RCマンションの中部屋なら、札幌でもエアコン暖房だけで乗り切れるケースは多い
- 灯油ストーブを追加導入すると、
- 初期費用:15万〜20万円
- ランニングコスト:灯油の方が高くなることが多い
→ コスパだけ見るなら、エアコン暖房を軸に考える方が合理的です。
8-3. 両方付いている物件に住む人
- 「立ち上がりは灯油ストーブで一気に暖めて、その後はエアコンで維持」
- 「昼間はエアコン、朝晩の冷え込みだけ灯油」
など、ハイブリッド運用がいちばん快適&コスパ良になりやすいです。
9. 札幌で暖房費を抑えるためのテクニック
最後に、どちらを使うにしても共通で効く「暖房費の節約ポイント」を簡単に。
- カーテンを厚手+窓全体をしっかり覆う
→ 窓からの熱損失を減らすと、消費エネルギーがかなり変わります。サンリフレ - サーキュレーターや扇風機で空気を循環させる
→ 特にエアコンは暖気が天井にたまりやすいので、かき混ぜると効率アップ。 - 設定温度を1℃だけ下げる
→ 体感よりちょっと寒いくらいなら、服装で調整した方がトータル安いです。 - 在宅時間が短い日は「つけっぱなし」を控える
→ 日中ずっと家にいるならつけっぱなし有利、外出時間が長いならこまめに切る方が有利なこともあります。サンリフレ
10. まとめ|札幌1LDKで本当に安いのはどっち?
- ランニングコストだけを見ると、灯油145円/L前提ではエアコン暖房の方が有利になりやすい
- ただし、
- すでにどちらが部屋に付いているか
- 電気料金プラン
- 何年住むつもりか
によって、「得か損か」は変わります。
短期入居なら、付いている設備を素直に使うのが無難。
長期で住むつもりなら、エアコンを導入して“灯油からの脱却”を検討する価値は大きいと言えます。